歩き方について


これまでの研究でヒトの歩き方は「安定でない」ことが分かっています。その歴史は古くヒトがニ足歩行を始めて間もない約360万年前から変わっていません。当法人では独自の歩行メソッドを開発し「安定」を目標にした歩き方の練習をしています。


従来の歩き方

1.人間の自然な歩行は重力場を巧みに利用しており、倒立振子として前方へ倒れ込む動作を繰り返すことによって行われる

2.地面の上に立っているからだが前へと進むことは,地面に足が接触して力がかかっているところよりも前方に,からだ全体の重心を倒すことによって,はじめて可能になるということだった

3.重力の極性に貫かれた地上環境のなかで,地面の上に置かれたからだは,バランスを崩すと,重力に引っ張られて転倒する。わたしたちが歩くときに使っているのは,実はこの力なのだ。わたしたちは,からだを地面に引き寄せる「重力」を利用せずには,立った状態から前に進む力を生み出すことができない

ということがこれまでの研究で分っています※研究報告書抜粋


当法人の歩き方

当法人の歩き方で番重要としていることは「安定」です。地球上において安定を得るために重要なことは「重心」のコントロールです。そしてもう一つ重要な要素が足裏の機能の「トラス機構」と「ウィンドラス機構」です。当法人の歩き方はこれらの機構がしっかりと機能するような歩き方です。

参考文献

・佐野明人. 重力場を巧みに利用した動的2足歩行. 日本ロボット学会誌. 1993. 11(3), p.354-359.
・野中哲士, たのしいからだ : 地上環境の身体論(第1回)歩くからだ(その1)「歩く」からだの生まれるところ. 臨床心理学. 2016, 16(3), p.361-367.
・Brenière Y, Cuong Do M & Bouisset S. Are dynamic phenomena prior to stepping essential to walking?. Journal of Motor Behavior. 1987, 19(1), p.62-76.
・Bril B, Dupuy L, Dietrich G & Corbetta D. Learning to tune the antero−posterior propulsive forces during walking : A necessary skill for mastering upright locomotion in toddlers.

    Experimental Brain Research. 2015. 233(10),  p.2903-2912.

・藤原勝夫, 池上晴夫. 足圧中心位置と立位姿勢の安定性との関係について. 体育学研究. 1981. 26(2), p.137-147.
・橋本健史. 足アーチ構造の機能. 慶應医学. 2004. 81(1), p.17-21.
・高林知也, 江玉睦明, 横山絵里花. 走行と歩行の動作様式の違いが足部ウィンドラス機構におよぼす影響. バイオメカニズム. 2016. 23, p.67-73.